2026/09/18 19:30

新品なのに、古着のように見える。

かすれたプリント。

色褪せたボディ。

ひび割れた文字。

最近では、そうした加工を見かけることも珍しくない。

SEAPORTでもヴィンテージの服から学ぶことは多い。

ただ、

「古く見せること」

だけがヴィンテージの魅力ではないと思っている。

かすれていれば、ヴィンテージになるわけではない。

新品のグラフィックに、

後から適当な傷やノイズを加える。

確かに古くは見える。

でも、何となく違う。

本物の古着を見ていると、

かすれ方にも理由がある。

何度も洗われた。

着られた。

折られた。

擦れた。

日光に当たった。

人が着てきた時間の結果として、

変化している。

だから格好いい。

学びたいのは、加工方法だけではない。

古いTシャツを見ると、

今なら選ばないような文字サイズだったり、

妙にプリント位置が高かったり、

色の組み合わせが大胆だったりする。

現代のデザインの常識から見ると、

少し変なものもある。

でも、その違和感が魅力になる。

SEAPORTが古着を見るとき、

「どうやって古く見せよう」

だけではなく、

「なぜこのデザインが記憶に残るんだろう」

を考える。

完璧に整えない。

今のデザインソフトなら、

中央を揃える。

文字間を整える。

色を合わせる。

何でも簡単にできる。

でも、全部を完璧にすると、

整っているけれど、

どこか見覚えのあるものになることもある。

少し歪んでいる。

少し粗い。

少し違和感がある。

そのくらいが、人間らしいこともある。

だからといって、古着のコピーはしない。

昔存在したデザインを、

そのまま再現することが目的ではない。

それでは「昔の服」になってしまう。

SEAPORTが作りたいのは、

今の服だ。

ヴィンテージから、

文字の強さを学ぶ。

色を学ぶ。

余白を学ぶ。

プリントの存在感を学ぶ。

そして、一度分解する。

その上で、

今の自分たちの感覚で組み直す。

過去は、答えではなく材料。

90年代も同じ。

アメカジも同じ。

ワークも同じ。

好きだからこそ、

そのまま使わない。

背景まで知って、

今の服に変える。

それが、

SEAPORTにとっての

「ヴィンテージから学ぶ」

ということだと思っている。

古く見せたいのではない。

時間が経っても残る服を考えたい。