2026/09/07 20:04
東京、大阪、ニューヨーク、ロサンゼルス。
ファッションや音楽の話をすると、どうしても大きな街の名前が出てくる。
新しいショップ。
ライブハウス。
クラブ。
スケートスポット。
ブランド。
人が集まる場所には、新しいカルチャーも生まれやすい。
では、地方に住んでいる人間は、カルチャーから遠いのだろうか。
SEAPORTを始めてから、このことを以前より考えるようになった。
地方には「何もない」のか。
僕らが暮らす福井県敦賀市は、大都市ではない。
ファッションの選択肢も、東京と比べれば当然少ない。
若い頃、
「もっと服屋があればいいのに」
と思ったこともある。
好きなブランドを見るために県外へ行く。
雑誌を見る。
音楽を聴く。
インターネットで海外のカルチャーを見る。
地方にいると、自分から探しに行かなければ届かないものが確かにあった。
でも振り返ると、それは悪いことばかりではなかった。
何でも目の前にあるわけではないから、自分で探した。
調べた。
選んだ。
結果として、自分が何を好きなのかを考えるようになった。
カルチャーは、場所だけで決まらない。
90年代や00年代。
東京から遠く離れた場所にいても、雑誌、CD、ビデオ、テレビ、ショップを通じて、自分たちなりにストリートや音楽を吸収していた。
完全に同じものではなかったと思う。
むしろ少しズレていたかもしれない。
でも、そのズレを含めてローカルのカルチャーだったのだと思う。
海外のものをそのままコピーするのではなく、
東京で流行っているものをそのまま持ってくるのでもない。
自分たちが暮らしている土地を通して、一度解釈する。
その瞬間、カルチャーはその場所のものになる。
敦賀だから作れるもの。
敦賀には港がある。
日本海がある。
古い建物がある。
鉄道の歴史がある。
冬の重たい空もある。
夜の港には、都会とはまったく違う静けさがある。
昔は、それをファッションと結びつけて考えたことはなかった。
でもブランドを始めてから、見慣れていた風景の中にデザインの種がたくさんあることに気づいた。
地方にいることは、カルチャーから遠いことではない。
むしろ、
他の場所にはない材料のすぐそばにいる
ということなのかもしれない。
LOCAL PRIDE.
ローカルを誇るというと、地元礼賛のように聞こえるかもしれない。
でもSEAPORTが考えるLOCAL PRIDE.は、少し違う。
地元だから何でも素晴らしいと言いたいわけではない。
足りないものもある。
不便なこともある。
だから外を見る。
外から学ぶ。
その上で、自分たちの足元をもう一度見る。
世界を見ることと、地元を大切にすることは反対ではない。
むしろ両方を見るから、自分たちにしか作れないものが分かってくる。
地方だからできない、ではなく。
ここにいるから作れるものは何か。
SEAPORTは、その答えを服で探している。
